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Conversation対談

2025.06.16

第123回「実在するベーシックインカム3000万円の世界」

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

『ベーシックインカム×国家戦略』
宗教を引き、経済を足す。
逆算で作られた都市設計

  • 安田

    ドバイという街は単なる観光都市ではなく「住みたい」と思う戦略で成り立っていると。

  • はい。「お金持ちが住みたくなる街」「そこで仕事したくなる街」を完全に意識しています。

    生田
  • 安田

    実際に住みやすいんでしょうか?

  • ルールを守ればすごく住みやすいし仕事もやりやすいと思います。

    生田
  • 安田

    どんなルールですか?

  • たとえばドバイにはゴミが全く落ちてないんですよ。なぜならドバイは罰金大国だから。

    生田
  • 安田

    ゴミを捨てたら罰金ってことですか?

  • はい。ドバイは税制がめちゃくちゃ優遇されているので「お金持ちパラダイス」的なイメージあるんですけど。実は罰金制度が非常に多い。

    生田
  • 安田

    たとえばどんな罰金ですか?

  • たとえば僕らみたいなIT業がドバイでビジネスをやりたいとなった時、すぐには仕事させてもらえないわけですよ。

    生田
  • 安田

    そうなんですね。

  • はい。ドバイにはライセンス制度というのがありまして。
    まず「コムデックはITのkintoneに関する役務はやっていいよ」という権利を取得する。
    そしてその権利に対して毎月、毎年、お金を払う。

    生田
  • 安田

    なるほど。
    〇〇屋さんをやるんだったら「年間いくらですよ」みたいな。

  • そうそう。
    で、うっかりkintone以外のITの商売をすると巨額な罰金が来るわけです。

    生田
  • 安田

    そこは厳しいんですね。お金さえ出せばどんな事業でもやらせてくれるけど、許可した事業以外はやっちゃいけないっていう。

  • ある意味「ちゃんと交通整理されている」という捉え方もできます。

    生田
  • 安田

    なるほど。国が参入障壁を作ってくれるわけですね。
    そのルールさえ守れば移住するのは簡単ですか?

  • そうですね。基本的にはお金持ちウェルカムな国なので。
    比較的スムーズに移住できると言われています。
    ただし移住を誰に相談するのかがめちゃめちゃ大事。

    生田
  • 安田

    誰に相談すればいいんですか?

  • 多くの日本人はドバイの日本人に相談するんですけど。
    これが結構怪しい人たちが多い。

    生田
  • 安田

    そうなんですね。

  • やっぱり日本人って日本語が喋れる人を信用しがちなので。

    生田
  • 安田

    わかります。

  • だけど現地にいる日本人が必ずしも正直な人ではなくて。
    「ドバイ引っ越しトラブルあるある」と言われています。
    ブローカーみたいな人たちに頼んじゃうと後でトラブルになる。

    生田
  • 安田

    少しくらい高くてもちゃんとしたプロにお願いした方がいいと。

  • そういうことですね。

    生田
  • 安田

    ちなみにドバイの地元の人たちってみんなお金持ちなんですか。

  • これはドバイを語る上では欠かせないテーマなんですけど。ほどほどなんですよ。
    年収で言うと2〜3000万円レベルかなと思います。

    生田
  • 安田

    めちゃくちゃすごいじゃないですか。日本人からしたら。

  • 日本人の平均年収と比べたらそうですね。
    ただ世界的に見たら富裕層ではない。ほどほどですよ。

    生田
  • 安田

    確かに。ほどほどですね。

  • すごいのは、その2〜3000万に相当するような衣食住とか、生活に必要なお金が国から支給されていること。

    生田
  • 安田

    仕事はしてないってことですか?

  • やってもいいし、やらなくてもいし。

    生田
  • 安田

    それで成り立つんですか?ドバイという国は。

  • 実はドバイ人口の6〜7割は外国人なんです。外国人がスーパーマーケットを経営していたり、レジをやってる人も外国人だったりするわけですよ。

    生田
  • 安田

    なんと。

  • 外国人が移住してきて、外国人が仕事して、外国人が商品やサービスを提供して、外国人が生活している街。

    生田
  • 安田

    つまり外国人向けの商品を外国人が売って、外国人が買っていると。

  • はい。だからあまり現地の人と合わないんですよ。

    生田
  • 安田

    現地の人は何をしてるんですか?やることないじゃないですか。

  • 国が生活費をくれるので「働きたくないんだったら家でゆっくりしてていいぞ」「衣食住は担保してやるからな」という感じ。

    生田
  • 安田

    なるほど。ベーシックインカムみたいなものですね。

  • 国からのある種メッセージ付きの支援なわけですよ。

    生田
  • 安田

    メッセージ?

  • 世界中から富裕層を呼ぶ時にバキバキにイスラム感が強かったら、ちょっと引いちゃうじゃないですか。

    生田
  • 安田

    確かに。住むのは躊躇しちゃうかも。

  • だから「あまりイスラム感を出すなよ」っていうメッセージですね。

    生田
  • 安田

    なるほど。目立たないように生活してくれと。
    その代わり2000〜3000万円のベーシックインカムは払いますよと。

  • そういうことです。

    生田

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