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Conversation対談

2025.04.28

第117回『営業の無人化はどこまで進むのか』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

AIが完璧な提案をする時代
営業マンは「可愛い」が正義?

  • 安田

    人件費がどんどん上がって、このままでは利益の出ない中小企業が続出するでしょうね。

  • そうですね。とにかく人間がやらない仕事を増やしていかないと。

    生田
  • 安田

    生田さんは「営業なんてAIがやるようになる」と言ってますよね。
    でも営業部門ってなくしにくいイメージなんですけど。

  • そうですか。
    前にもお話しましたけど、保険のセールスなんてどんどん無人化に近づいていますよ。

    生田
  • 安田

    保険ってやっぱり特殊な気もしますし。
    基本的にどんな営業でもAIを使った無人化・省人化って可能ですか?

  • 本質を考えるのであれば「売り手と買い手の情報格差を埋める」というのが営業なので。可能だと思います。

    生田
  • 安田

    たとえば商品の詳しい仕様とか使い方とかを伝えるとか?

  • そういうのありますし、そもそも自分が「何を必要としているのか」というレベルからですね。レコメンデーションしてくれるっていうのがそもそも営業なので。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • 今の生成AIって、自分の困りごとをそこにインプットさえすれば「あなたはこれがいいんじゃないですか」って、教えてくれるわけですよ。

    生田
  • 安田

    どの程度の解決策を教えてくれるんですか。

  • 課題解決のために有効なサービスは3つあって、「Aというのはこういう商品で、高いけどこうですよ」みたいなことになるわけです。

    生田
  • 安田

    まさに営業マンがやる仕事ですね。

  • はい。全て教えてくれます。しかもAIというのは自分色にチューニングできますから。
    生田の趣味趣向、コムデックの趣味趣向を考慮して提案してくるわけです。

    生田
  • 安田

    それはもうトップセールスレベルですね。

  • しかも1回AIに説明しておけばどんなお困りごとでも解決してくれる。
    人間だったら分野ごとに説明する必要があるから。

    生田
  • 安田

    「前の会社にも同じこと言ったよ」みたいな。

  • そう。その手間と時間がごそっとなくなる。

    生田
  • 安田

    それはすごいですね。お薬手帳みたいになるわけですね。
    いちいち言わなくても、これ見たらわかると。

  • それぐらい高性能なのがchatGPTプロですね。月額200ドルしますけど。
    ただ安田さんもご存知の通りディープシークという中国製が出てきまして。

    生田
  • 安田

    出てきてますね。

  • これが出てきたことによって高性能AIによる高性能営業がコモディティ化します。

    生田
  • 安田

    つまり、激安になるってことですか。

  • そうです。人間が研修を受けて営業力を高めていく間に、AIが凌駕してしまう。

    生田
  • 安田

    もう人間の営業を育てている場合ではないと。

  • もう人間は営業をやめた方がいいと思います。

    生田
  • 安田

    とはいえ人間って関係性を重視するじゃないですか。
    提案は普通なのに「可愛げがあるから」という理由で買う経営者もいます。

  • まさに安田さんのおっしゃる通り。
    要は人間が生き残るラストワンマイルは可愛げしかないということ。

    生田
  • 安田

    なるほど。ヒアリング力や情報分析力や提案力を磨くより、可愛げを磨いた方がいいってことですね。

  • 必要不可欠な部分はAIがやってくれますから。

    生田
  • 安田

    自分の脳みそから最適な提案を引っ張り出すか、AIから引っ張り出すかの違いだと。

  • そういうことですね。お客さんからしたらどっちでもいいので。

    生田
  • 安田

    安く売るんだったら人間は排除しちゃって、関係性を求める顧客には「可愛げのある人」を配置すればいいと。

  • 人間インターフェイスが欲しい人は高くなります。「その代わり、ちょっと可愛げのある子を派遣しますよ」という感じになるんじゃないですか。

    生田
  • 安田

    もう営業っていうより太鼓持ちですね。

  • 営業の奥深さというのは「人が何に喜ぶか」ということをインサイト(洞察)するところにあるので。

    生田
  • 安田

    それこそが営業の本質だと。

  • 情報格差を埋めるのはテクノロジーにやってもらって、ひたすらその能力を磨いていく。

    生田
  • 安田

    医者や弁護士ですらAIを使うようになると言われていますからね。
    普通の営業マンが知識や提案力で勝負したら太刀打ちできないですよね。

  • はい。ただそうなって来ると営業マンが今のようには必要なくなる。

    生田
  • 安田

    情報収集や提案書作りはやらなくていいわけですからね。
    そうなったら営業マンはどれくらい減りますか?

  • これまで100人だったとしたら10人で十分だと思います。

    生田
  • 安田

    10分の1ですか。かなり腕のいい太鼓持ちにならないと生き残れませんね。

生田智之 伊勢で働く社長のチャンネル生田智之 伊勢で働く社長のチャンネル

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