無人化・自動化の進む時代に、人が関わる理由をどう作るか?
中小企業に問われる『価値の再構築』
リクルートワークス研究所が「労働力の需給バランス」という発表しておりまして。
じつはまだ労働力って減っていないそうです。
本格的に減るのはこれからでしょうね。
そうみたいです。人口は減っているけど労働力はまだ減っていない。
定年延長や主婦のパートで維持されて来たみたいです。
外国人労働者も増えたし。
そう。だけど円安で外国人が来てくれなくなって。
定年延長や主婦のパートも限界が来てます。
なるほど。
ということで2025年から本格的に労働力が減っていく。
すでに人不足は深刻ですけどね。さらに酷いことになると。
今足りていないところはもう壊滅的な状態になります。
これから労働力の需給バランスが完全に逆転するそうです。
団塊の世代が引退しますからね。
そうなんですよ。でも引退してもその人たちは労働力を消費し続けるわけで。
生きていくには他者の労働が必要ですから。
物を運んでもらったり、食料を作ってもらったり、交通機関を使わせてもらったり。
供給しないけど消費だけする人がどんどん増えていくと。
そういうことです。
その結果「必要な労働量」と「供給できる労働量」が逆転してしまう。
穴が空いても修理できない道路とか続出するでしょうね。
やってもらわなくちゃ困る仕事はたくさんあるけど、こなす人間がいなくなる。
凄い円高にでもならない限り外国人は増えないでしょうね。
高齢者や主婦の労働にも限界があるし。
自動化、省人化は絶対やらないといけないでしょう。
必須ですね。
その上でとにかく無駄な仕事を無くしていかなくちゃいけない。
まだまだ無駄な仕事が多いですからね。
まずは徹底的に効率化したほうがいいですよ。とくに中小企業は。
生田さんは効率化が本業ですけど中小企業にはどんな無駄が多いんですか。
これは賛否両論あるかもしれないですが。
バックオフィスというものがどこまで必要なのか。ここに切り込まなくちゃいけないと思います。
総務や経理みたいな仕事ですか。
そうですね。以前からアウトソーシングが進んでいる領域ですけど。
各企業が個別に所有しておく必要があるのかどうか。
一気に外注が進む可能性もありますか。
多くの中小企業ではバックオフィスの担当者が高齢化していますから。
その人たちが引退したら新たな採用は難しいと思います。
採用コストや人件費の高騰を考えても社内でやるかどうか考えなくちゃいけないですよね。
もう無理でしょう。そこは省人化どころか無人化していく気がします。
社会全体の労働力を考えるとそうなりますよね。
人間にしかできない仕事以外は極力無くしていかないと。
介護や清掃のようなエッセンシャルワークも省人化していくでしょうね。
でないと現場が回らないので。
飲食業の調理や接客も高級店を除いて自動化・機械化していきますよ。
人がいないのでそうならざるを得ないですよね。
となると多くの中小企業からバックオフィスがなくなる日も近い。
管理の仕事も人間がやらなくなると思います。
どんどん人が減って最後にはどんな仕事が残るんでしょう。
社長だけが残ったりして。それとも現場は残るんでしょうか。
その時の世の中の困り事が何かによりますね。
人間じゃないとできないところに限定されるでしょうね。貴重な労働力なので。
労働力の争奪戦がすごいことになると思います。
「人間が関わる仕事」の価格は高騰していくんでしょうか。
間違いないです。
手作り個人店なんかは高級志向じゃないと生き残れないですよ。
価格を上げるか、人間を使わないようにするか。
逆に「どこを人間担当で残すか」を考えないといけない。
自動化できない仕事か、あるいは人間がやることによって価格を上げられる仕事か。
それしかないですね。
人間がやった方が「安い、早い、質がいい」という仕事はどうですか?
安い、早い、はもう無理でしょう。
質に関しても「どういう質なのか」を考えないと。
すでに多くのサービスにおいて人間よりAIやテクノロジーの方が優秀だし正確なので。
確かに。
人間しかできない価値をどうやって生み出すのか。
ちゃんと考えないと中小企業は大変なことになります。
もうそれ以外の仕事は社内に残しちゃダメですよ。