> 対談一覧 > 第77回『SDVから考える車業界の未来』
中国は日本人の想像とは次元の違う開発をしようとしている?!
安田SDVってご存知ですか?調べてみると「ソフトウェアによって定義されるクルマ」と書かれていまして。
要するに電気自動車の進化版と言いますか。
次世代カーと言われているヤツですよね。
生田
安田そうです。スマートフォンの車バージョンみたいな。
HUAWEIとかがすごいんでしたっけ。
生田
安田そうみたいですね。日本は出遅れているみたいです。
その分野は厳しいでしょうね。
生田
安田でも車に関しては世界トップシェアですよ。最近は不正のニュースが多いですけど。
基準をクリアしないままマーケットに出したって。信用ガタ落ちです。
やっぱり焦っているのかもしれないですね。
生田
安田あれだけ利益が出ていて焦る必要あるんですかね。
電気自動車に一気にシフトすることを恐れているんでしょうか。
電話ってもはやミニコンピュータじゃないですか。
生田
安田車も電話みたいにコンピュータ化していきますか?
間違いなくそうなるでしょう。
スマホがガラケーを駆逐した時みたいに終わっていく可能性があります。
生田
安田でも不正までやらなくても。まだ時間はあるわけですから。
いわゆるリープフロッグ現象みたいなのもあるので。
生田
安田何ですか?それは。
既存の技術を経ることなく「いきなり最新の技術に到達する現象」で、例えば通信網がないところにいきなりスマホが広がったアフリカみたいなパターンですね。
生田
安田なるほど。悠長なことは言っていられないと。
現在の延長にない未来が突然来るかもしれない。
そうなんです。マツダ、日産などはやばいですよ。
生田
安田トヨタはどうですか?
トヨタは向こう10年まだ強いと思います。充電インフラがないところではガソリン車が必要なので。
新興国とか。
生田
安田SDVという新しいマーケットでの勝負はどうですか。
それはもう中国だと思います。
生田
安田やっぱりトヨタでも勝てないですか。
ソフトウェアの優劣って、データ量とイコールと言っても過言じゃないので。
生田
安田中国はデータ取り放題ですもんね。そこらじゅうに監視カメラもあって。
ばんばんチャレンジして実験して、ダメだったら次に行って、みたいな。
そういうビッグデータを持っている中国はすごいですよ。国内における需要も多いし。
生田
安田どんどん差が広がっていきそうですね。
まだまだデータは取れるし、開発もそっちにバチっと向いているので。強いです。
生田
安田中国で犯罪をしたらほんの数分で居場所を特定されちゃうそうです。
どこに逃げても必ず捕まるっていう。
国家プロジェクトとして情報網を作り上げていますから。
情報量ではもう中国には勝てないですよ。
生田
安田民主主義国家では勝てませんね。マイナンバーぐらいで、いちいち国民のOKを取らなきゃいけないし。
中国はトップダウンで規制緩和し放題ですもんね。
そうなんですよ。
生田
安田どうやったらそこに対抗できるんでしょう。日本もガンガン規制緩和すればいいんでしょうか。
おそらく中国が開発しようとしているSDVは日本人が想像しているものとは、そもそも次元が違うんじゃないかと思います。
生田
安田次元が違う?
はい。もう単なる自動車ではないと思います。
車1台で住居から仕事から全部完結してしまうとか。
生田
安田車の中がVR空間になっているとか?
その可能性もありますよね。
生田
安田そういう開発は日本も得意そうですけど。技術力でも勝てないってことでしょうか?
機能だとまだ日本に軍配が上がりますけど。
インテリアとか、生活とか、「抽象度をあげて網羅的・総合的に豊かにする」という分野でどんどんシェアを持っていかれると思います。
サムスンに負けてしまったように。
生田
安田抽象度を上げるのって日本人は苦手ですからね。
苦手とか言ってる場合じゃないと思います。変わる時ってほんと一瞬ですから。
生田