> 対談一覧 > 第76回『赤字を生み出しているのは視座の低さ』
グローバルに舵を切っていけ!
安田貿易赤字ならぬ「デジタル赤字」という言葉がありまして。
なんとなくイメージはつくと思いますが、日本はデジタルサービスに関して海外企業に依存しまくっているみたいで。
まあそうですよね。
生田
安田Googleはもちろん、X(旧Twitter)、Facebook、TikTok、Instagramと、ほとんど依存状態です。
Netflixとか、Amazonプライムとか、Kindleとか。
生田
安田日本は輸出入の貿易赤字には敏感なんですけど。デジタルにおいては依存しまくりで。
相当な赤字でしょうね。
生田
安田もうこの分野で逆転するのは難しいんでしょうか?
ITでは難しいんじゃないですか。
生田
安田やっぱそうですよね。
ITでは難しい。まずプラットホームはもう獲れない。AIも獲れない。
生田
安田AIもダメですか。
完全に出遅れてますから難しいでしょう。別の土俵で勝負した方がいいですよ。
生田
安田やはり言語の問題があるんでしょうか。グローバルで展開するなら日本語は不利ですよね。
それはあるでしょうね。
生田
安田本気でプラットホームを作るなら英語で作らないといけないし。
そうなると会社もシリコンバレーみたいな場所で立ち上げないといけないし。
言語の問題はあると思いますけど、それ以上にビジネス規模の問題が大きい気がします。
生田
安田ビジネス規模ですか。
そもそも日本のITサービスって日本市場に向けて作っていて、そこそこ日本で流行るから。国を超えていかない。
生田
安田なぜ国を超えていかないんでしょうか。
世界はそもそも世界ファーストで使って作っていて、最初からそこを目指してやってる。
だから投資額も桁が全然違うんですよ。
生田
安田なるほど。最初から見ているマーケットのサイズが違うと。
まず視座が違いますよ。
生田
安田視座ですか。
日本はラッキーなことに国内マーケットがそこそこ大きい。国内向けサービスだけで十分食べていけてしまう。
そこが韓国との大きな違いですよ。
生田
安田韓国は最初からグローバルに向けてやらざるを得なかった。だから世界マーケットのシェアを取れたと。
そう思います。
生田
安田とはいえ日本マーケットの縮小も見えていて。人口5000万人を切るのは確実なわけで。
だから本当はグローバルに舵を切らなきゃいけない。
だけどまだ食えてしまうわけですよ。国内だけで。
生田
安田食えなくなってからでは遅い気がしますけど。
間に合う分野で頑張るしかないですね。漫画とかゲームとか。
世界でも人気のあるコンテンツをグローバルファーストで作ればいいんです。
生田
安田プラットフォームは手遅れだけどコンテンツなら間に合うと。
コンテンツ黒字をどんどん増やして円安に歯止めをかける。
あとはインバウンドを見込んだギャンブル黒字とか。競馬とか競艇とか人気があるんですよ、グローバルでは。
生田
安田そうなんですか。
はい。
だけど日本にはハイローラ―(高額の賭けを繰り返す人)が入ってこない。日本は累進課税だから。
生田
安田当たったら累進課税なんですか?
年収2000万の人が1000万の当たり馬券を取ったら、累進課税で税金額がすごいことになるんです。
生田
安田なんと。
それなのに外れ馬券を経費計上することもできない。
ルールが他国より厳しすぎるので海外からお金持ちが入ってこない。
生田
安田もったいないですね。
ハイローラーが海外から入ってきたら公営ギャンブルの売上も増える。
観光のついでに競馬や競輪もやってもらって。ゴージャスなVIPルームを用意すればいいんですよ。
生田
安田素行の悪い外国人が増えませんか?
それは視座が低い発想ですね。本当のお金持ちは素行がいいんです。
値切らないし、文句言わないし、感謝して喜んでくれるし。
生田
安田ケチでうるさい日本のお客さんより遥かにいいですね。