> 対談一覧 > 第48話『終わりを決めておくことの意味』
経営者の賞味期限
安田政治家には年齢の下限があるのに上限はないですよね。
免許もそうですね。高齢者の事故で大変なことになってるのに。
生田
安田自分でやめ時を決めるって難しいんですよ。「まだまだ自分は大丈夫」ってなっちゃうから。
ちゃんと定年を決めておいた方がいいと思います。
経営者は定年がなくてもいいと思いますけど。
中小企業の経営者って、ビジネスモデルを作った人とニアリーイコールじゃないですか。
生田
安田創業者はそうでしょうね。
要はビジネスのファウンダーであり、オーナーであり。
生田
安田CEOでありCOOでもあり。
その人が一番上手く事業をコントロールできる。
だから柳井さんは退いてもまた現場に戻ってくるし、孫さんも卒業できないと思うんですよ。
生田
安田コムデックさんはどうですか?生田さんは三代目ですよね。
上手く世代交代が進んでるイメージですけど。
コムデックは先代が完全に引退したわけではなく僕と入れ替わった形なんです。
理由はコムデックの中で僕が作った事業が3分の2ぐらいの規模感になったから。
それを操縦するのは僕が1番うまいということですね。
生田
安田そこで素直にバトンタッチするところがすごいですよ。
コムデックみたいに理解のある社長さんばかりならいいんですけど。
固執する人もいますよね。
生田
安田そっちの方が多いです。
政治の世界でもアメリカは大統領の任期が決まっていて、現大統領が1番権力があるじゃないですか。
そうですね。
生田
安田だけど日本の場合は院生政治で、元首相みたいな人が裏で人事権を持っていたりする。
芸能界もジャニーさんやナベツネさんが権力を持ったままで。
確かに。死ぬまで権限を持ってるイメージですね。
生田
安田だけど今の時代って、もう30年40年と経営をやるのは無理ですよ。
上がつっかえてるんだったら「自分でやる」という選択肢が取りやすい時代でもありますけど。
生田
安田業界によるんじゃないですか。芸能関係は難しそうに見えますね。
もうマスコミとかどうでもよくないですか。YoutubeやSNSがあるので。
独立、起業、創業しちゃえばいいのにって思いますけど。
生田
安田だんだんそうなってきてますね。上がぜんぜん退かないから。
それでいいんじゃないですか。
生田
安田いいんですかね?いつまで経っても同じような顔ぶれで。
大阪万博とか見てるとそう思いますね。税金の無駄遣いというか。
最悪のリーダーシップだと思います。
生田
安田やっぱり交代したほうがいいですよ。
だけど一方で日本は安全な国でもありますよね。
生田
安田安全性と世代交代は関係ありますか?
アメリカみたいにドラスティックな社会になると、いろんなものが失われる。保守的な考え方も必要なんですよ。
バランスが大事ってことです。
生田
安田なるほど。だけど執着しすぎると進歩がなくなるし。私はそれで会社を潰したと思ってます。
自分で終わりを決めるって難しいんですよ。
なるほど。
生田
安田だから社長の定年を決めておくことが大事かなと。
45歳で終わりとか。社長は20年以上やっちゃいけないとか。
僕はコムデックの社長を45歳で辞めようと思ってます。
生田
安田そんなに早いんですか!
今年40だから。あと5年あります。
生田
安田10年ぐらいはやったらどうですか。
今の時代に10年は長いと思うんですよ。
初代が15年ぐらい、先代が10年ぐらいなので僕は5年ぐらい?みたいな。
生田
安田だんだん短くなっていく感じ?
ムーアの法則みたいに経営者の賞味期限がどんどん短くなっていくと思います。
若くて優秀な人材がどんどん出てきますから。
生田
安田60歳を過ぎてから権限移譲するって難しいですからね。
昨日までチヤホヤされてた人が、ただのおじいちゃんになっちゃうので。
40代ならいくらでも新しいことにチャレンジできます。
歳をとれば取るほどしんどくなっていきますよ。
生田