> 対談一覧 > 第36回『デジタルの根っこはアナログ!?』
ITでなんでも解決できるわけじゃない
安田業務効率できない中小企業ってたくさんあるじゃないですか。
ありますね。
生田
安田そういう会社には何が足りないんですか。情報収集力ですか?それとも分析力?
1番足りないのは「しつこさ」とか「リーダーシップ」ですね。
生田
安田ほほう。
その事業にかける「意義」みたいなものを持っているかどうか。
生田
安田ビジョンがあるかどうかってことですか。
ビジョンは言語化されたものだと思うんですけど。もっと原石みたいなものですね。情熱みたいなもの。
生田
安田情熱ですか。
業務効率化って1人なら難しくないんですよ。
だけどある程度の組織になると、それを動かしていく「強烈な意志」とか「しつこさ」が必要で。
生田
安田それが情熱ってことですか。
「もっと世の中を良くしていこうぜ」という情熱があって、それをしつこくしつこく組織に落としていく経営者であれば、組織はちゃんと動いていくということです。
生田
安田なるほど。
だけど残念ながら多くの中小企業経営者にはそれがないですね。
生田
安田今まではなくてもやってこれたってことですか。
そうなんですよ。昔の会社は体育会系が当たり前だったので。会社に入ったら上の話に従うのが当たり前。
生田
安田今は違うと。
今は仕事自体も多岐に渡るし、多様な人間が集まって物事を進めていかなくちゃいけない。
昔みたいに自ら努力もしてくれません。
生田
安田会社が「言われたことをやるだけの場所」になっちゃってますよね。
だから業務改善が必須になっていて、トップの意志とか勇気とかしつこさみたいなのが昔以上に問われます。
生田
安田ビジョンが言語化されていなくてもいいので、少なくともトップの情熱と現場を動かすしつこさは必要だと。
そうなんですよ。
生田
安田じゃあ情熱としつこさがあるとして。それでも業務効率できてない場合は何が足りないんですか。
次の段階のロジカルのフェーズですね。情熱やしつこさはマインドのフェーズ。
生田
安田コムデックさんがサポートしているのはロジカルのフェーズですか?
社長にマインドがあればまず組織に火をつけるサポートをします。
その上で「どこをITに置き換えて業務効率を上げるか」というフェーズになる。
生田
安田情熱としつこさをITに置き換えることは難しいんですか。
難しいですね(笑)最後はやっぱり人間なので。
生田
安田じゃあマインドありきで次がIT化ってことですね。
そうです。
業務効率っていうと「全部レス化すればいいじゃん」みたいな話になっちゃうので、そこに気をつけながら。
生田
安田全部を無人化するのはダメなんですか?
だって会社の本質は人を幸せにすることじゃないですか。
そのために人事生産性を上げるのか、給料を上げるのか、商品やサービスの品質を高めるのか。
ここを分析することが業務効率化のスタートですね。
生田
安田なるほど。人がいなくなったら本末転倒だと。
「人を幸せにしたい」という情熱があって、しつこさもあって、そのためのIT化が始まっていく。
はい。因果関係を読み解き、トレードオフをし、事象を定量的に理解していく。
SWOTだとか色んなフレームワークがあるんですけど、感覚的にできる会社もあります。
生田
安田情熱があるかどうかはどうやって見抜いてるんですか?
情熱がない会社はトップが丸投げですね。「現場でITやっとけ」って。
そんなのやるわけない。現場だって既存業務プラスアルファのITになっちゃいますから。
生田
安田それでは現場は動かない。
動かないし、そもそもコストオンコストですよ。やる意味がありません。
生田
安田丸投げでは業務効率は良くならないってことですね。
会社をどう変えていくんだとか、お客様とどういう風な関係を作っていくんだとか、トップの意思がそこにないと無理ですね。
生田
安田「現場でやっといてよ」みたいな仕事は受けないんですか。
受けないですね。上手くいかないのは分かっているので。
ITでなんでも解決できるわけじゃないんですよ。じつは根っこにあるのはアナログだってことです。
生田