ホーム  >  対談一覧  >  第159回「大学入試に暗記問題は必要か?」

Conversation対談

2026.03.09

第159回「大学入試に暗記問題は必要か?」

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

暗記より“問い”が価値になる時代

  • 安田

    大学入学共通テストでChatGPTが9科目で満点を取ったそうです。

  • 取れるでしょうね。AIが最も得意な分野ですから。

    生田
  • 安田

    ChatGPTが満点取れる回答を人間が覚える意味ってあるんですかね。

  • これは難しい問題ですよね。

    生田
  • 安田

    今や将棋も人間よりAIの方が強いじゃないですか。
    でも見ている側としては「人間だから失敗する・ミスする」ってところがゲームとして面白い。

  • はい。AI同士の対戦は見ていて面白くないでしょうね。一瞬で勝負がついちゃうし。

    生田
  • 安田

    でも入試に関しては「1割ミスする人間の方が素晴らしい」なんてことにはならないと思うんです。

  • ならないでしょうね。

    生田
  • 安田

    ミスしない方がいいならAIに聞けばいいわけで。こんな暗記力を試験で比較することに意味があるんでしょうか?

  • 今後ますますAIが進化していくので、知識の正確性や処理速度ではAIに敵わなくなるでしょうね。
    ただ最低限の知識がないとAIも使えないとは思います。

    生田
  • 安田

    私も基礎的な演算能力や言語能力が必要ないとは思わないです。
    ただ答えを丸暗記するような科目で点数を競い合うことに意味があるのか、疑問です。

  • AIを使って答えを導き出す能力を比較した方が実践的でしょうね。
    つまり単なる暗記をベースとした現代の試験はほぼ意味をなさないと思います。

    生田
  • 安田

    やっぱりそうですよね。

  • 我々が言うまでもなく、みんなそう思ってるんじゃないですか。

    生田
  • 安田

    そう思っているのに子供たちに丸暗記を強いるわけですよね。思春期の大事な数年間を犠牲にして。

  • そういう仕組みで社会が動いている以上、個人ではどうしようもないというのが現実なんでしょう。
    「何を知っているか」はあまり意味がないんですけどね。

    生田
  • 安田

    ですよね。

  • やはりこれをどう使うかとか、どんな問いを立てられるかが人間に求められているわけで。
    入試制度そのものを本気で作り変えるタイミングが来ていると思います。

    生田
  • 安田

    そこを変えないと親も対処しようがないですよね。

  • はい。学校で教える科目もだいぶ変わりますよ。

    生田
  • 安田

    教える目的も変わりますよね。正しい答えを導くみたいなものではなく。

  • 小学校1・2年の基礎的な勉強は必要だと思いますけど。応用編になった時にガラッと変える必要がある。

    生田
  • 安田

    AIを使って手に入れた情報で「どういう答えを導き出すか」みたいな。

  • AIを使うことは当たり前になっていくでしょうね。そもそも現代社会って正解が過剰なので。

    生田
  • 安田

    正解が過剰?

  • 社会の発展の歴史は「問題の発見と解消の歴史」なんです。
    だけどAIによって問題と解消のバランスが崩れてしまった。

    生田
  • 安田

    あっという間に答えを5個くらい出してくれますもんね。

  • そう。AIがどんどん正解を出してくるわけです。そうなってくると問題が足りない。
    つまり問題を発見できる人が重宝されるよということです。

    生田
  • 安田

    良い問題をAIに投げれば、答えは向こうが出してくれるってことですね。

  • 「何を知っているか」ではなく「これを使ってどんな問いを立てるか」が重要になるということ。
    入試制度も育成カリキュラムもそっちに寄せていかないといけない。

    生田
  • 安田

    今の試験問題は「何々を答えよ」ですけど、本当は「何々について問いを立てよ」にならなくちゃいけない。

  • そういうことですね。

    生田
  • 安田

    AIの精度がもっと上がれば日本の教育も変わっていくんでしょうか。

  • AIの精度もありますけど、それよりもシフトチェンジすることを足踏みしている人たちの問題でしょうね。

    生田
  • 安田

    学校の先生も大変そうですよね。教え方もガラっと変えなきゃいけないし。

  • そうなんですよ。「変えたくない」という人は相当数いると思います。

    生田
  • 安田

    そもそも社会に出ると答えなんて無いじゃないですか。
    まさに自分で問いを立てる力が求められる気がしますけど。

  • それができる人の価値がどんどん高まっていますね。

    生田
  • 安田

    だったら国益のためにも「そろそろ変えませんか」という議論を行わないと。

  • 既に行われているとは思いますよ。さすがに。
    ただ教科書ひとつ変えるのもなかなか大変そうで。

    生田
  • 安田

    官僚って暗記試験で頂点に立った人たちじゃないですか。
    だから自己否定するようなことはしたくないのかも。

  • そういう人もいるでしょうね。

    生田
  • 安田

    「エリート官僚の定義が変わりました」なんて言われたら困るでしょうし。

  • いずれにしても大きな変化は避けられないです。
    ただ「変化=自らの世界の破壊」となると、なかなか最初の一歩が踏み出せないでしょう。

    生田
  • 安田

    いや、険しいですよね。だから誰も手をつけたがらないってことですかね。

  • 変わっていくとしたら義務教育より民間の方が早いかもしれません。
    これ自体がビジネスチャンスでもあるので。

    生田
  • 安田

    受験に役立たない塾に親が通わせるかどうか、ちょっと疑問ですけど。

  • いま流行りのプログラミング教育なんてまさにそうじゃないですか。
    だったら「問いの立て方を教える塾」も増えていくかもしれない。僕はそこに期待したいですね。

    生田

生田智之 伊勢で働く社長のチャンネル生田智之 伊勢で働く社長のチャンネル

※掲載されているすべてのコンテンツの無断での転載、転用、コピー等は禁じます。©Copyright Comdec. All Rights Reserved.