> 対談一覧 > 第141回「宿題代行から考える勉強の意味」
AI時代、学校の宿題は必要なのか?
安田夏休みの宿題を代わりにやる仕事が大繁盛しているそうです。
素晴らしい。
生田
安田素晴らしいですか?ちなみに読書感想文は1枚3,000円で書いてくれるみたいです。
良いですね。
生田
安田AIを使うと一瞬で書けてしまうみたいで。
この方は子供にヒアリングして、その子が体験したことをうまく混ぜて、感想文を仕上げてくれるんですって。
良いところを突いてますね。
生田
安田いや、これ賛否両論なんですけど。何のために学校に行ってるか分からないっていう。
宿題は自分でやらなくちゃダメだろうって意見ですよね。
生田
安田もちろん。ところが一方で「もはや今の時代に宿題なんてやらなくていい」という意見もありまして。
僕もそう思いますね。そもそも学校が遅れすぎているというか。
生田
安田宿題なんてやらなくてもいいと?
やりたい宿題だけやればいいんじゃないですか。やりたくない宿題は全てアウトソース。
生田
安田それで良いんですか?社会に出てから困りませんか。
企業が今そうなっているわけですから。
コアな仕事だけ内部でやってノーコアな仕事は外注する。
これが最先端ですよ。小学生だけ「全て自分でやれ」っていうのは酷な話だなと。
生田
安田読書感想文を書くのが苦手な子っていますもんね。
好きで得意な子だけ自分でやれば良いんですよ。
生田
安田私は最後の要約だけ読んでスカスカな感想文を書いていました(笑)
僕は6年間同じ読書感想文を出しました。
生田
安田え?そんなのありですか。課題図書はどうなるんですか?
課題図書というものがなくて。
好きな本を読んでいいという条件だったので、1年生の時に読んだ本を2年生の時にも読んだ体で。
3年生の時も読んだ体で。提出するという。
生田
安田それは学校的にオッケーなんですか?
担任の先生が変わるので分からない。
生田
安田でも1年生と6年生では書く内容が違うじゃないですか。
内容だけちょっとアレンジして。2年生3年生が書いたふうに。
生田
安田すごい子供ですね(笑)
読書感想文なんて意味ないんですよ。まだ映画感想文の方がいいですよ。
生田
安田どんな宿題だったら意味があるんですか?
掛け算、割り算ぐらいは出来た方がいいと思うんですけど。
今の時代に暗算なんて出来る必要ないですよ。
僕はもう九九を覚えた時間を返してほしいと思ってますから。
生田
安田なんと。九九いりませんか?
九九いらないですね。
生田
安田経営者ってある程度数字に強くないとダメじゃないですか。
数字に強いってことと、掛け算が出来るってことと、微分積分が出来るってことは、もう全く違っていまして。
微分積分なんてほとんどの大人は出来ないじゃないですか。
生田
安田確かに。できませんね。
ってことは九九も出来なくていいんですよ。九九が出来なくても経営は出来る。
生田
安田お釣りを誤魔化されたりしないでしょうか。
もう人間がお金を触らないような仕組みになりますよ。
生田
安田釣り銭なんてもの自体が無くなると。
とくに暗記が必要な科目は全く必要ないです。
全員がめちゃくちゃ優秀な外部脳を持っているので。
生田
安田スマホってことですか?
そう。暗記や暗算ができるより検索が速い方が有利です。
生田
安田子供がAIを使うことに関してはどうですか?使ってもいいと思いますか。
いいと思います。使うことによって馬鹿になるのか賢くなるのかは僕には断定出来ないですけど。
ただ大人が使って、企業でも使って、なぜ子供は使えないのかと思う。
生田
安田昔はね、パソコンだって禁止されていましたもんね。
でも暗算も記憶も必要ないとなると、何を教えたら良いんですか。
本人が興味のあるものを見つける。
自分の知らないことや、自分の行ったことないところに行くとか。そういうことが勉強ですよ。
生田
安田じゃあ学校に行く意味もなくなっていきますね。
スマホ1個あれば何でも学習できますから。
友達と会うとか、クラブ活動するとか、学業とは別のところに学校に行く意味が唯一残る感じですね。
生田
安田確かに不登校が増えてますけど。
でも圧倒的多数の子供はちゃんと学校に行ってますよ。
学校に行く目的って就職じゃないですか。
そのゴール自体がなくなりつつあるので。
「学業と就職は関係ない」ってことが明らかになった時、一気に子供たちは学校に行かなくなると思う。
生田