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Conversation対談

2025.09.15

第136回「営業のルーツはキャバクラである」

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

キャバクラ式営業マッチング論

  • 安田

    今日はデータ管理について真面目な話を聞きたいんですけど。生田さんの本業でもある。

  • 了解しました。
    でも真面目なデータばっかり集めてたら、他社と同じような結果にしかならない可能性がありますけどね。

    生田
  • 安田

    一見無駄そうなデータが重要ってことですか?

  • まさにそうです。そこから導き出される新たな可能性や仮説がすごく大事で。

    生田
  • 安田

    私の実感では業績がいい会社って「集客上手」なところが多いんです。
    つまり見込み客からの問い合わせが結構たくさん来るわけですよ。

  • なるほど。

    生田
  • 安田

    ところが問い合わせに対しての契約率は普通だったりする。
    たとえば住宅業界ならモデルハウスにはたくさん人が来るけど、契約率が他社に比べて飛躍的に高いわけじゃない。

  • はいはい。

    生田
  • 安田

    集客には力を入れてるんですけど現場の営業に関しては結構アナログで。
    社長やリーダーが勘と経験で顧客を振り分けたりしてるんです。

  • そこはAIの得意分野なんですけどね。お客さんも当然何らかの興味があって問い合わせしてくるわけじゃないですか。

    生田
  • 安田

    そうですよね。

  • 営業マンもおそらく得意不得意があると思うので。いい感じにマッチングすればあっという間に契約率が上がると思います。

    生田
  • 安田

    やっぱりそうですか。

  • はい。そもそも人って「自分が好きなもの」って売れるんですよ。
    僕らもkintoneが好きだからkintoneがこんなに売れるわけで。

    生田
  • 安田

    じゃあ営業マンには「自分が好きなもの」を売らせればいいと。

  • そういうことです。
    たとえばお客さんが「家が欲しい」って言っても、洋風な家のパターンもあれば、和風な家のパターンもありますし、千差万別なわけですよ。

    生田
  • 安田

    家具が大好きって人もいれば、庭が大好きって人もいますしね。

  • そうなんですよ。そうすると接客する営業マンとお客様との相性がすごく大事になってくる。
    「何に興味がある」「何を売りたい」とかって営業マンも十人十色なわけです。

    生田
  • 安田

    昔手伝っていた会社に「躯体(くたい)を考えるのが大好き」というマニアックな営業マンがいました。
    家の骨組みみたいなものですけど。

  • わかります。だから会話のレパートリーも当然「合う・合わない」があるわけですよ。
    それと、もう1つ重要なポイントがありまして。

    生田
  • 安田

    何ですか?

  • それは聞き上手なのか、喋り上手なのか。

    生田
  • 安田

    営業マンは「聞き上手がいい」って言われますけど。

  • それはお客さんによるんです。
    つまり大きく分けると「情報が欲しい人」と「引き出してほしい人」と2パターンいるわけです。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • じつは、これ水商売と一緒なんです。

    生田
  • 安田

    え?水商売と一緒ですか。

  • 全てはキャバクラにルーツがあると言っても過言じゃないわけですよ。

    生田
  • 安田

    生田さんのルーツは確かにキャバクラですが(笑)
    営業のルーツもキャバクラにありと。

  • そうです。たとえば50歳ぐらいで、スーツを着ていて、しっかりした仕事をしてそうなお客様には、会話の引き出しが多い女性を席につける。

    生田
  • 安田

    ちょっと知的な話ができた方がいいってことですか。

  • そう。文学の話とか、政治の話とか、ちょっと出来た方がいいですよね。
    一方でパーカーを着て、おしゃれな感じの若者には、最近の流行に詳しい女性を案内する。

    生田
  • 安田

    それは黒服時代のノウハウですか。

  • そうです(笑)

    生田
  • 安田

    黒服さんってそんなことまで考えて配置を決めるんですね。

  • もちろんですよ。女性スタッフの配置ひとつで延長率が変わるわけですから。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • 会話が弾めば、そのセット内での追加注文の金額も変わる。
    誰をアサインするかによって全ての単価が変わってくる。

    生田
  • 安田

    すごいですね。それに比べて営業のマッチングって、あまり考えてやってない気がします。
    顧客からの問い合わせをなんとなく振っちゃって。

  • 時間が空いてる人に振っちゃったりするでしょ。

    生田
  • 安田

    しますね。よく考えたら大問題ですよね。これはどうやったらシステム化できるんですか?

  • まずは「お客さんが何を求めているのか」という情報がデータベース化されている必要があります。
    そして営業マンの強みやステータスもデータベース化されている必要がある。

    生田
  • 安田

    属人的な振り方ではダメだと。

  • それが正しかったとしても拡大できないですよね。人がボトルネックになって。
    そもそも人間がやることって感情や先入観に左右されるので。

    生田
  • 安田

    確かに。

  • 社長が自ら采配しなくてもシステムがそれをアシストしてくれるようにしないと。

    生田
  • 安田

    ちゃんとデータベース化して、どんどん情報を追加して、カスタマイズし続けるってことですよね。重要なのは。

  • そういう事です。そうすると契約率はどんどん上がっていきます。
    個別最適化の時代ですから。契約率なんていう言葉はなくなるんですよ。いずれ。

    生田
  • 安田

    え?なくなるんですか。

  • はい。全く結果が出せていない営業マンも一長一短あるわけですよ。
    こういう会話は得意とか、こういうことに興味があるとか、こういう話なら100点満点を出せるとか。

    生田
  • 安田

    そういう顧客がターゲットじゃない場合はどうしたらいいんですか?

  • 他の会社に移ればいいんですよ。

    生田
  • 安田

    なるほど。自分の得意が生かせるところに移りゃいいと。

  • AIを使えば「誰と誰がベストマッチングしてハッピーになるか」という答え合わせが瞬時に出来ちゃうわけです。
    つまり採用時点で「結果が出せる可能性」が高いかどうか分かる。

    生田
  • 安田

    おー、素晴らしい。

  • そういう個別最適化の時代がすぐそこまで来てるってことです。

    生田

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