> 対談一覧 > 第132回「なぜkintoneアカウントは増え続けるのか」
kintone1万社増加の秘密を解明
安田最近kintoneのテレビCMが増えましたね。
はいはい。豊川悦司さんの。
生田
安田一昔前のCMと違ってすごく分かりやすいです。「ノーコードなので俺でもシステム作れた」みたいな。
いまkintoneを使う会社ってめちゃくちゃ増えてるんですよ。
生田
安田どれくらい増えてるんですか。
加速度的に増えていて、この1年で1万社ぐらい増えてます。
生田
安田1万社!すごいですね。確かにkintoneが便利なのは分かるんですけど。
似たようなサービスって昔からいっぱいありましたよね?
kintoneは他のクラウドサービスと決定的に違う点がありまして。
生田
安田何ですか?
基本的にクラウドサービスってパッケージソフトウェアなんですよ。
要は入力項目が決まっていたり出力形式が決まっていたりする。
生田
安田だから安いってことですよね。
そうなんです。普通はシステムの仕様として全員同じものを使うわけですよ。
生田
安田だけどkintoneは違うと。
はい。kintoneはすごく日本的に出来ていまして。
生田
安田日本的に?
海外は基本的に「自分たちの仕事をシステムに合わせに行く」という思想なんです。
逆に言えばそういう思想だからどんどんスケールしていくわけですよ。
生田
安田なぜスケールしていくんですか?
つまり海外ではどんどん会社を大きくしていくか、あるいは潰れていくか、どちらかなんです。
けど日本って圧倒的に中小企業が多いじゃないすか。
生田
安田多いですね。99.7%が中小企業と言われていますから。
多すぎると言っても過言ではないんですけど。それは置いておいて。
中小企業ってそれぞれに「こんな情報を入力したい。こんな情報を出力したい」というニーズがあるわけですよ。
生田
安田ガラパゴス化されているわけですね。
そう。めちゃくちゃアナログかつガラパゴスなんです。
生田
安田分かります。各社独自の管理方法とか独自のやり方があって。
農業で例えると海外は大規模な畑に空から種や農薬を撒いて、一気に刈り取っていく感じ。
日本は棚田みたいに小さな田んぼがたくさんある感じ。
生田
安田田んぼごとに形も太陽の当たり具合も全然違って。
その地形に合わせて個別最適化される農業のように、中小企業350万社が1社1社独自性を持っていると言えるんですよ。日本は。
生田
安田だからパッケージ化されたシステムが向いていないと。
そういうことです。だけどkintoneというのは運用の自由度がめちゃめちゃ高いんですよ。
他のクラウドサービスは「こう使ってください」という手順ありき。
kintoneは「あなたの会社に合わせて使い方、入力出力の仕方をいじれます」ってことです。
生田
安田なるほど。だからkintoneを使う会社がどんどん増えていると。
パッケージソフトだといまいち合わない会社が「あれ?意外とkintoneいけるじゃん。
あ、なるほど。ここの入力項目そんな風にカスタマイズできちゃうんだ」みたいな。
生田
安田使った会社の継続率も高いんですか?
すごく高いです。ユーザーが離脱しない秘訣は「圧倒的なその会社へのフィット感」みたいなところですね。
生田
安田独自性を追求する小さい会社が多いから。一度使うとはまっていくんでしょうね。
日本の中小企業にはkintoneという仕組みが非常に合っているということですね。
使えば使うほどシステムは進化していくので。
生田
安田使うほどに馴染んでいくと。
ユーザーが馴染んでいくのは既存のパッケージソフトです。導入したあとは使って慣れるだけ。
kintoneは使い始めてからがスタートなわけですよ。
生田
安田kintone側が馴染んでくれるってことですか。
そうです。導入してデータを貯めた後に「うちの会社ってこうなのか」「じゃあこういうデータも貯めよう」「こういう風に集計してみよう」という感じで、データとにらめっこしながらシステムが進化していく。
生田
安田使い方次第ってことですね。逆に使う側のリテラシーも求められそうですが。
だからウチはkintoneというシステムを1社1社に合わせてカスタマイズするお手伝いをいているわけです。
生田
安田それはkintoneの代理店ならどこでもやってくれるんですか?
いえ。残念ながら多くの代理店は他のクラウドサービスと同じ売り方をしています。導入して終了です。
生田
安田kintoneであるにも関わらず?
お客さんに言われた通りのアプリを作って「あとはよろしく」ですね。
あとは自分たちでやってくださいと。作ったものに対しては保守しますと。
生田
安田メーカーであるサイボウズ社もそこまではやらないんですか?
導入するにあたっての最初の手引きぐらいはしてくれます。
手厚いサポートまでやるのは僕たちみたいな協力会社ですね。
生田
安田だからコムデックさんの業績もkintoneとともに伸び続けているわけですか。
そういうことなんです。
生田