> 対談一覧 > 第91回『もう新築マンションは要らない』
地方都市の発展にはコンセプトが必要
安田伊勢と東京を行き来している生田さんに聞きたいんですけど。
何でしょうか。
生田
安田子育ては東京だっておっしゃってましたけど、伊勢愛もすごくあるじゃないですか。
はい、めちゃめちゃあります。
生田
安田伊勢志摩と松阪をくっつけて地域ブランドをつくるとか。ビジョンまであるわけで。
ありますね。
生田
安田でも子育てするなら東京だと思っている。
そうですね。
生田
安田何がいちばん違うと感じますか?
まず土地の値段が圧倒的に違うんですよ。
生田
安田東京はめちゃくちゃ高いですからね。銀座なんて1坪が億単位です。
原点はやっぱり土地だなと思いますね。
生田
安田高いから人が集まってくるってことですか。
高いからありとあらゆるものに差が出てくる。違いが生まれるのではないかと。
生田
安田土地は安いほうが快適ですよ。同じ家賃で3倍くらい広い家に住めたり。飲食店も1人あたりのスペースが広いし。
その瞬間を切り取ると当然そうなんですよ。地元の居酒屋の方がうまくて、安くて、広い。
生田
安田ですよね。
東京は窮屈なところで、ちょっといいもの食べようと思ったらそれなりの値段がする。
生田
安田すぐに1万、2万になりますよ。隣とぶつかりそうな狭い店で。
僕の場合は両方行き来してるから、それぞれのいいとこ取りができるわけですよ。
両方を知ってるからこそ真の意味でどこでも働けるというか。
生田
安田どこでも働ける?
何が言いたいかって言うとですね、伊勢しか知らないと伊勢スピードで学び、伊勢の時間感覚で考え、伊勢の思考でビジネスを生み出していくことになるわけですよ。
生田
安田伊勢の感覚でしか生み出せないものもあるんじゃないですか。
伊勢でしか生み出せないものはもちろんあります。だけどもしこれが100倍の地価だったとしたら、100倍のスピードでアウトプットしないと追いつかないんですよ。
生田
安田なるほど。
つまり地価が違うことによって、東京の1時間と伊勢の1時間とは違うということなんです。
生田
安田違うとどうなるんですか。
リモートで働ける時代に成功してる人の1つの勝ちパターンっていうのは、伊勢という豊かなところに行って東京のスピードで仕事ができる人なんですよ。
生田
安田なるほど。伊勢に東京の時間感覚を持ち込むことが大事だと。
そういうことです。トップのハイクオリティを分かってた上でローカルのコミュニティも大事にする。
仕事のスピードが早くて尚且つ人脈もあるのが1番贅沢なんですよ。
生田
安田生田さんはそこを目指しているわけですか。
はい。伊勢でだけ生活してたら絶対にそうならないので。
生田
安田アメリカにはシリコンバレーみたいな街がありますよね。優秀な頭脳が地方に集まってくる仕掛けというか。
イーロンマスクがいるテキサスも優秀な企業や人材がどんどん集まってます。
生田
安田日本の地方都市もそうなれないんでしょうか。
そうなるためには「どういう町にしたいのか」というコンセプトが必要で。
生田
安田確かに。
まずコンセプトがあって、次にコンセプトに合った人や企業が集まる仕掛けを考える。
基準を満たした人や企業の税率をものすごく下げるとか。
生田
安田ベースにコンセプトがないとダメだと。
はい。だけど現実はその真逆のことをやってるわけですよ。伊勢に普通のマンションを新しく建てたり。そんなのはもういらんと。
生田
安田マンションはいりませんか(笑)
いまさら伊勢に普通のマンションなんかいらないですよ。もっと伊勢っぽいものを作らないと。そしたら圧倒的に税率が優遇されるとか。価値が増えていくものを作らないと。
生田
安田岐阜のわら葺き屋根の家を見るために世界中の人が集まって来るわけですもんね。そこで高いランチを食べてたくさんお金を使ってくれて。
そうですよ。新築マンションなんて誰も見に来ないです。もっとコンセプチュアルな町を作れってことです。
せっかく伊勢神宮があるんですから。
生田
安田日本の地方都市はどこに行っても同じような景色ですもんね。
コンセプトに振り切ることで町の価値は上がるわけです。土地の値段も上がる。土地の値段が上がると居住してる人たちの所得や思考レベルもアウトパフォームする。
でも残念ながら日本ではこれが出来ない。だから自分が移動するしかないわけですよ。
生田