> 対談一覧 > 第75回『人が先か仕事が先か』
”人に合わせて仕事作る”意味が理解できない経営者は引退した方が良い
安田「人さえいれば仕事はある」なんて言われるんですけど。
それってビジネスモデルとして成り立っていないですよね。
はい。採用とセットで考えないとビジネス自体が成り立たないので。
人不足が続くことを考えると発想の転換が必要だと思います。
生田
安田仕事に合わせて人を採るのではなく、人に合わせて仕事を生み出していく、というのはどう思いますか?
いいと思います。仕事に人をつけるよりも、人に合わせてどんどん仕事を作る。
そういう時代に入っていると思います。
生田
安田人不足じゃなければ、こんな面倒なことをする必要はないんでしょうけど。
人が一番のボトルネックになっている時代ですから。やむを得ないでしょうね。
生田
安田「この条件でこの仕事をやってくれる人」みたいな募集をしても、不人気だと誰も振り向いてもくれない。
「人さえいれば儲かる」という会社の典型的な募集ですね。
絵に描いた餅みたいな経営ですよ。
生田
安田まさにそんな感じです。
「それを連れてくるのが採用会社の仕事だろう」って言われるんですけど。無理なものは無理です。
相手は人間ですからね。自分の意思があるわけで。
生田
安田「人に合わせて仕事のやり方を変える」という発想がないと、もう採用できないです。
仮に採用できても人が残らないですよ。
生田
安田はい。無理やり採ってもどんどん辞めていきます。
採用会社は儲かるんですけど。何の解決にもなっていない。
まずは経営者が考え方を改めることですよ。
生田
安田私もそう思います。昔は営業マンを採用したら全員に同じことをさせるのが当たり前でした。
そこで業績を上げられる人だけが残ってくれればいいという考えで。
今そんな経営をやったら大赤字ですよ。
そもそも営業力で高く売るということが難しい時代なので。
生田
安田優秀な人ほどやりたがらないですよね。
黙ってやり続ける人が優秀なわけじゃない。
そこを理解できいていない経営者が多い気がします。
生田
安田昔はそういう人が優秀だと言われたんですけど。
発想を根本から変えないと。
生田
安田面倒ですけど個別対応するしかない気がします。
「このやり方なら利益が出る」という個別対応。
何かしら新しい手を打たないと採用もできないし、定着もしないし、利益が出ないですよ。
生田
安田経営者に提案すると「人に合わせて仕事作るってどういうこと?」みたいな目で見られてしまうんです。
それが理解できない人はもう経営を引退したほうがいいです。
生田
安田同じ営業マンでも人によって得意分野は違うわけで。
重要なのは結果なので、そのためには個人の特性に合わせてやり方を変える必要があると。
その通りだと思います。
ただし前提として、こういうビジネス、こういう役割、みたいなレンジは必要ですけどね。
生田
安田枠は必要ですよね。
自分で考えさせるにしても縛りがないと発想できないですから。
そうなんですよ。
ゼロイチで発想できる人なんてほとんどいませんから。
生田
安田「ウチはこういうビジネスで、君の役割はこれで、この結果を上げるために最善の方法を考えて実行してくれ」
みたいなマネジメントでしょうか。
そういうイメージです。
全く何もないところで「人を集めてからやる」ってさすがに不可能ですから。
生田
安田そりゃそうですよね。
絶対的な手段、条件、目的、目標みたいなのがあった上で、じゃあ君はどうやってチームや顧客や社会に貢献できるんだい?みたいなマネジメント。
生田
安田いいですね。
ちゃんとベースを作ってからアレンジする。
その人の魅力をうまく引き出して、オリジナリティーを作ってあげる。
この順番が大事ですね。
生田
安田「変えられる部分」と「変えられない部分」を見極めないといけないですね。
変えられないコアなところを最小限に抑えて、あとは業績が伸びるんだったら好きなやり方でやっていいよって。
できる人材ほど自由にやらせてあげるほうがいい。
生田
安田自分では考えられない人もいますけど。
そこはマネジメントする人が一緒に考えてあげる感じですか。
それがマネージャーの仕事ですね。
日本の中間層は「自分がやってきてうまくいったこと」を部下にやらせるパターンが多いけど、それはもう古典的なマネージメントですよ。
生田
安田マネージャーや経営者に求められる能力が変化したってことですね。
マニュアル通り管理するだけではもう利益が増えていかないので。
勘や経験ではなく、きちんとしたデータに基づいて仕事を柔軟に作り変える。
そういう能力が必要なんです。
生田